ディスカバリーズの副代表の小野です。
昨今、人的資本経営という言葉を目にすることが増えてきました。
こちらの記事では、人的資本経営とは何か、取り組みを成功させるポイントについて解説します。
ディスカバリーズの副代表の小野です。
昨今、人的資本経営という言葉を目にすることが増えてきました。
こちらの記事では、人的資本経営とは何か、取り組みを成功させるポイントについて解説します。
人的資本とは、企業における社員を「資源」ではなく「資本」としてとらえる考え方です。
社員は消費される材料ではなく、価値を生む源泉であり、投資して価値を増やすことが出来る対象、と捉えるということです。
そして、人的資本の価値を最大限に引き出し、企業価値の向上につなげる経営が「人的資本経営」です。
人的資本という考え方は、古くは18世紀から提唱されていました。
いまなぜ、人的資本経営が注目されているのでしょうか?
それには以下4つの背景があります。
①企業価値の変遷
企業の経営資源であるヒト、モノ、金、情報について、昨今ではヒトと情報があれば巨大な市場価値を生むことができるようになりました。昨今のクラウドサービスやAIサービスをはじめとするIT企業が最たる例です。
②社会課題
SDGsやESGなどにおいて、働き方やダイバーシティなど、人を大切にする考え方を企業は求められています。
③米国の動き
米国企業では2020年8月から、人的資本の情報開示(ヒューマンキャピタルレポート)が義務付けられました。
④日本の課題
日本には労働人口の減少という避けられない課題があります。人材を如何に活用するか、という課題提起が経済産業省から行われています。
2023年3月度から上場企業を対象に、人的資本の情報開示が求められるようになりました。
前述の通り、2023年3月度から、上場企業を対象に人的資本情報の開示が義務化されました。
しかしながら、開示すべき人的資本情報は国からガイドラインは示されているものの、厳密に定義されているわけではありません。
それもそのはず。その会社にとって価値を生む「人材」とはどういう人か、それは会社によって違うのです。
開示が義務化されたことで、人材について戦略的に検討をはじめた企業が増えましたが、各社まだ手探り状態です。
人的資本開示が義務化されましたが、開示することが目的ではありません。
本質的には企業のビジョン達成のために、どのような人材が組織に必要か、そのために何をするかが重要です。
各社が取り組むべきは、大きく3つのステップです。
Step1:ビジョン達成のために必要な人材を定義する
Step2:必要な人材について現状とのギャップを可視化する
Step3:ギャップを埋めるための施策を実行する
簡単に書きましたが、実際には各ステップで取り組むことは簡単ではありません。
他の会社の開示情報を見て、うちも同じでいいや、というわけにはいきません。
繰り返しになりますが、価値を生む人材像は会社によって違うのです。
Step1は人事部門だけでなく、経営陣や各部門を巻き込んで検討していく必要があります。
Step2は、Step1で検討した内容次第で可視化するものを検討する必要があります。
すでに開示されている各社の報告書を見ると、ガイドラインに則って以下のようなものが多い印象です。
これらは、比較的人事部門がデータをすでにお持ちのものが多いと思います。
Step1の内容次第で、他のデータが必要になるケースも当然あり得ますが、データが無いものは収集から始める必要があります。
人的資本の価値を高めるには、個人のスキルアップだけでは無く組織やチームとして連動して業務を行えるようにすることを忘れてはいけません。
個々の能力が高くてもチーム力が低ければ、結果的に企業価値にはつながりません。
こうしたチーム力や人同士のつながりといった要素も、可視化していくことが求められる可能性があります。
まずは人材に関するデータ化を進めていくことが前提です。
人事部門がすでに持っている人事考課情報だけでなく、働き方、コミュニケーション、チームでの活動など、業務自体をデジタル化し、データを蓄積しましょう。
デジタル化が進むことで、働く場所や時間も多様化し、組織を超えたつながりも創出しやすくなります。
そして、そのデータを使って可視化を進め、人材価値を高め、企業価値を高める施策を実行していく。これはまさにデジタルトランスフォーメーションの活動です。
IT部門やDX部門は、業務のデジタル化、コミュニケーションやチームでの活動をオンラインで行えるような環境の提供だけでなく、そこでのデータを活用できるようにすることで、人的資本経営をサポートすることができます。
本ブログでは、人的資本とは何か、人的資本経営のポイントやDXとの関係性について書かせていただきました。
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