CSMが語る|Copilot 社内導入はどう始まり、何が変わったのか
ディスカバリーズは、Microsoft 365 を活用して情報共有・組織変革を支援し、「働くすべての人たちがイノベーションをもたらす世界を。」というミッションを掲げています。 生成AIの急拡大を受け、社員が自らAIの価値を伝えられるようにする「DMC(Discoveries Microsoft Copilot)」社内利活用プロジェクトを始動 しました。カスタマーサクセスチームによる伴走支援のもと、導入から3か月で社員の80%が1日30分以上の時間削減を実感。Copilot により働き方に変化が起こり、モチベーションも向上しています。
筆者
プリンシパルカスタマーサクセスマネージャー 鈴木慎也
カスタマーサクセスチームで、生成AIの利活用やビジネス開発を担当。
NTT東日本や日本マイクロソフトなどを経て、20年以上にわたり大手企業向けの営業・カスタマーサクセスに従事。従来型の日本の働き方に疑問を抱き、ITの活用による働き方改革に継続的に取り組んできた。お客様やチームの意見を積極的に取り入れながら「オープンマインド」を大切にし、変化の激しいIT業界で好奇心を持って、新しい技術やサービスを追求し続けている。
趣味はサッカー観戦で、スター選手だけでは勝てないチームスポーツの奥深さから、個々の能力を引き出し合う“協働の重要性”を学び、それを日々の仕事にも活かしている。
ディスカバリーズのミッションとこれまでの歩み
ディスカバリーズのミッションは「働くすべての人たちがイノベーションをもたらす世界を。」です。
私たちはこれまで、Microsoft 365 のテクノロジーをベースに事業を展開してきました。創業初期には SharePoint を活用した組織ナレッジの仕組みづくりや利活用支援を行い、 “お客様の行動様式を変えること” を目指し、延べ400社を超える組織を支援してきました。
チェンジマネジメントなど、対応できるビジネステーマの領域を広げながら、Microsoft 365 各種製品の活用支援や組織の変革を後押ししてきました。原則リモートワークで、日本各地の社員で構成されています。
事業と組織の特徴
弊社の特徴は、「自社プロダクト」と「コンサルティングサービス」の両面をもってお客様に価値を提供していることです。
また、会社目標に紐づけて OKR (Objectives and Key Results)を各組織に設定し、進捗管理は Microsoft の Viva Goals を使って組織運営をしています。
会社の転換期:生成AIの登場
そんなディスカバリーズに転換期が突然やってきました。それは「生成AI」の登場です。 生成AIビジネスが一気に加速していく中、当社としてもビジネス領域の進化と拡張が急務となりました。ミッション「働くすべての人たちがイノベーションをもたらす世界を。」を実現するためにも、生成AIへの対応は必須だったのです。
創立15年を迎える中、お客様の支えもあって成長してきた一方で、AIを「使える・語れる」社員はまだ少なく、お客様の要望に十分応えられない状況でした。さらに、自社開発の AI プロダクト(バーチャルスタッフ)を提供する計画もあり、会社全体のトランスフォーメーションが必要でした。
そこで、社員自身の意識を変え、会社全体をアップデートするために発足したのが “DMC” です。 DMC(Discoveries Microsoft Copilot)社内利活用プロジェクトでは、社員に AI 体験の機会をつくり、伴走支援を行い、「自分の言葉でお客様に話せるようになる」ことを目指しています。 DMC は、単なる AI 活用のプロジェクトではなく、AI 体験を通してディスカバリーズ自身の文化や行動様式をアップデートする取り組みでもあるのです。
取り組みの全体像と成果の概略
まず、カスタマーサクセスチームのコアメンバーが推進チームとなり、「社員を顧客と見立てて Copilot 利活用を伴走支援する」体制を立ち上げました。スポンサーは副社長に依頼し、社長やマネージャー陣は進捗をレビューする立場から関わることにしました。
DMC の活動開始から約3か月で、社員の86%が効果を実感し、利用率はプロジェクト当初から約4倍に向上 しました。 また、 80% が「1日に30分以上(週に150分以上)の時間を削減できている」と回答し、業務時間の削減に大きな効果があることがわかりました。
しかし、Copilot の効果は時間削減だけではありません。多くの社員が感じたのは「仕事の質の向上」 でした。
例えば Teams の Copilot は会議のメモを自動で作成するため、メモを取る時間や手間が削減され、参加者は議論に集中できます。また、「任意で呼ばれた会議」にわざわざ参加せず、後から Copilot が作った議事メモを読むだけにし、その分の時間を別の作業に充てるようになった管理職もいました。
こうした変化は働き方やモチベーションにも影響を与えています。自分の苦手な業務を Copilot に任せたり、上司や先輩社員の代わりに Copilot に資料をレビューしてもらったりすることで、ストレスが軽減され、アイデアも広がりはじめました。「自分では思いつかなかったことが Copilot とのやりとりで得られる」という体験が、業務に対する意欲向上にもつながっている ようです。
CSM(カスタマーサクセスマネージャー)の視点:スタート時の課題
DMC が最初からうまくスタートしたわけではありません。 私は、Copilot 導入・活用の企画書を社長に持参し、直談判をしました。しかし社長の反応はこうでした。
「Copilot の社内活用はぜひやるべきだ。しかし、ライセンスを購入しても活用しない社員が出るかもしれない。 その場合は無駄な投資になるから避けたい。」
正直なところ、この反応は私の期待とは異なるものでした。すぐに「全員参加でやろう!」と言ってもらえると思っていたからです。しかし経営の視点に立てば、無駄な投資は避けたいという気持ちも理解できます そこで私が提案したのは、以下の進め方でした。
「社員の参加は希望制にし、ただし管理職は必須で参加してもらう」
過去の IT ツール導入支援の経験から、マネージャーが “ブロッカー” になるケース——「使いたい部下が手を挙げづらい」「利用したくても導入が進まない」——を何度も目の当たりにしてきたためです。
推進体制の工夫
次に考えたのは「推進体制」です。
ディスカバリーズは社長の強いリーダーシップがある一方で、トップから呼びかけると “AI 利用の指示” と受け取られかねず、「言われたからやる」という施策になってしまう恐れがありました。そこで「自分たちで学び合う」環境をつくるため、私が所属するカスタマーサクセスチームのメンバーに声をかけ、“社員を顧客として Copilot 利活用を推進する” 体制 を組織しました。
さらに、プロジェクトを継続的に進めるためのリソースや権限を確保すべく、副社長にスポンサーとして就任してもらい、推進チームを後方支援してもらう仕組みを整えました。
次回予告
以上が、Copilot 社内活用プロジェクト(DMC)立ち上げからの背景と、これまでの成果・取り組み概要です。次回以降のブログでは、具体的な活用例や社内の声、乗り越えた課題などについて詳しくお伝えしていきたいと思います。
次回は「社員が“毎日使う”Copilot へ――定着化を成功させた工夫」です。
CSMが語る #2 記事はこちらから社員が“毎日使う”Copilotへ――定着化を成功させた工夫
ディスカバリーズでは、こうした自身の経験や、これまでのご支援実績を踏まえた独自のナレッジを活かし、Copilot の社内展開・活用をご支援しています。 Copilot の利活用や展開に悩んでいるお客様は、是非、お気軽にお問い合わせください。
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