「こんにちは。ディスカバリーズ マーケティング担当の神山美波です。
第1弾で『生成 AI を業務で使うと何が変わるのか』の全体像をつかんだところで、次に気になるのは“結局、どう使えば失敗しないの?”という部分だと思います。
第2弾では、生成 AI の仕組みの話と、それより大事な”職場での使い方”を、田中さんと一緒に確認していきましょう。」

「こんにちは。ディスカバリーズ マーケティング担当の神山美波です。
第1弾で『生成 AI を業務で使うと何が変わるのか』の全体像をつかんだところで、次に気になるのは“結局、どう使えば失敗しないの?”という部分だと思います。
第2弾では、生成 AI の仕組みの話と、それより大事な”職場での使い方”を、田中さんと一緒に確認していきましょう。」
「生成 AI の“生成”って、具体的にはどういうことですか? たとえば文章なら、どこから出てくるんでしょう……?」
「イメージしやすいように、まず“検索”と比べますね。
検索は、入力した言葉に近い既存のページや資料を見つけてきます。たとえば『経費精算 ルール』と入れると、その言葉が載っている情報にたどり着けます。
一方、生成 AI は、学習してきた知識のパターンをもとにその場で文章を組み立てて答えを作ります。たとえば『経費精算の手順を、新人向けに3行で説明して』のように頼むと、説明文の“下書き”を作ってくれる、という感じです。
ただし重要なのは、生成 AI は検索のように出典を示してくれるとは限らない点です。文章が自然でも、事実・制度名・数字が混ざるときは間違うことがあります」
「なるほど。では、まずはどんな場面で使うのが分かりやすいですか?」
「初心者の方が試しやすいのは、たとえば……
1つ目:文章のたたき台(メールの下書き、社内案内文の草案)。
2つ目:要約(メモを短くまとめる、長文からポイントを抜き出す)。
3つ目:言い換え(硬い文章をやさしくする、箇条書きを文章にする)。
「ゼロから完璧に作らせる」より、下書きを作らせて人が整える使い方が安全で、効果も出やすいです。」
「でも、どうしてそんな文章が作れるんでしょう? 中で何が起きているんですか?」
「ざっくり言うと、生成 AI は文章を単語(正確には“トークン”)の並びとして見ていて、これまで読んだ大量の文章データから“次に来そうな言葉”を確率で予測しながら、少しずつ続きの文を作っています。
たとえば『お疲れさまです。』の次には、ビジネスメールなら『○○です』『ご連絡します』などが続きやすいですよね。そうした“よくある並び”を学習していて、指示(プロンプト)に合う形に文章を組み立てます。
つまり、生成 AI は「意味を理解して推論している」というより、「自然に見える文章を作る」のがとても得意な仕組みだと捉えると分かりやすいです。」
「じゃあ AI って、意味を理解して文章を考えているんですか?」
「「人みたいに考えている」というより、文章として自然に見える並びを作るのが得意なツール、という理解が近いです。だから、ときどき自信ありげに間違うこともあります(存在しない制度名や、根拠のない数字を出す、など)。
使うときは、事実・数字・固有名詞は必ず確認、というのが基本ルールです。加えて、社内ルールや最新の規程など「社内で正解が決まっているもの」は、一次情報(社内ポータル・規程)に必ず当たるようにしましょう。」
「実際に職場で使うなら、AI にはどのように頼むのがよいでしょうか?」
「おすすめは、最初から AI に完成品を求めない“手順化”です。流れは4ステップ。
① 入力(目的と前提を渡す):誰向け・用途・文字数・トーンを決めます。必要なら、元のメモや箇条書きも一緒に渡す。
② 出力(下書きをもらう):まずは案を出させて、方向性を見る。
③ 検証(根拠チェック):数字・制度名・固有名詞・断定表現を確認して、一次情報で照合する。
④ 修正(人が整える):表現と結論を人間の感覚で整えて、最終稿にする。」
「必ずこの過程を踏む、と覚えておくと上手くいきそうですね。」
「そして、注意する点も忘れずに。まずは、“この情報は AI に入れていいか?”と一度立ち止まって考えることが大切です。
現場で使える簡単なチェックとして、入力前に次の項目だけでも確認してみてください。
① これ、社外に出たら困る?
② 個人を特定できる情報が入っていない?
③ 社内ルール(秘匿区分・取扱い規程)に触れていない?
迷ったら、情報を削って抽象化する(社名→A 社、氏名→担当者、数値→レンジ)だけでも、リスクは下げられます」
「難しいことではないですね。”確認する””入れる情報を選ぶ””そのまま使わない”の3つ。」
「その通りです。AI はあくまで補助的な役割。使い方次第で、業務効率化や新しい価値創出につながりますが、過信は禁物です。」
「生成 AI を上手に使うためのコツはありますか?」
「ポイントは大きく3つです。
① 目的をはっきりさせる:『メールの断り文を丁寧にしたい』『会議メモを3行で要約したい』のように、ゴールを先に決めます。
② 材料をそろえる:前提条件(誰に向けた文か/締切/トーンなど)を伝えるほど、下書きの精度が上がります。必要なら、元になるメモや箇条書きも一緒に渡します。
③ 最後は必ずチェックする:先ほどもご説明しましたが、事実・数字・固有名詞、そして社内ルールに沿っているかは、人が確認します。
たとえば『新入社員向けに、経費精算の手順を200字で。やわらかい口調で。注意点も2つ入れて』のように、条件をセットで渡すとグッと使いやすくなります。
生成 AI は“自動で完璧に仕上げる機械”というより、下書き作りを手伝ってくれる相棒くらいに捉えると、失敗しにくいですよ。」
「なるほど、AI は“使い方次第”なんですね。まずは軽い作業から試してみたいと思います。下書きを作ってもらって、自分で直して仕上げる——その流れなら、今日からでも始められそうです」
「そうですね。注意点も理解して、正しく活用できれば幸いです。次回(第3弾)は、『リテラシー向上でさらなる AI 活用を』として、特に多い“情報の入れ方”のリスクと、現場でできる対策を整理します。」