
ディスカバリーズ株式会社は、コニカミノルタ株式会社(本社:東京都千代田区、代表執行役社長兼 CEO:大幸 利充)が2026年4月から実施する Microsoft 365 Copilot(以下:Copilot)の全社展開トライアルに向け、戦略的な準備フェーズとなるコンセプトワーク支援を実施したことを発表します。
手挙げ制での部分導入において高い利用率と満足度を達成した同社に対し、ディスカバリーズは全社展開という重要な局面を前に「何のために、どこを目指すのか」という本質的な問いと向き合うコンセプトワークを実施。推進チームとしてのビジョンと KGI(重要目標達成指標)/ KSF(重要成功要因)を明確化し、部門ごとに最適な生成 AI を選択する全社展開トライアルへの道筋を共に確立しました。
一般的に製造業には、組織のサイロ化という構造的な課題があります。営業、製造、研究開発、管理部門など、事業部ごとに業務の性質や文化、システム環境が大きく異なり、それぞれが高い独立性を持って運営されています。こうした多様な現場に対し、トップダウンで一律の AI 活用方針を展開しても、各部門の実態や期待値とのギャップから形骸化するリスクがあります。
コニカミノルタは、中期経営計画の最終年度である2025年度を「Turn Around 2025」と位置づけ、将来に向けた成長基盤の確立を経営の重点方針として掲げています。この経営方針の実現に向け、経営改革の効果と事業の利益成長に加え、全社員の生産性向上と創造性の発揮が不可欠であり、AI の全社展開について各部門の実態を踏まえた戦略設計と、部門ごとに効果を検証できる仕組み作りに取り組んでいました。
こうした中、同社では2024年4月から有志社員の手挙げ制による Copilot の先行導入を開始していましたが、参加希望者が大幅に増加したことを受け、2025年10月から、ディスカバリーズの伴走支援を開始しました。ディスカバリーズは、増員した参加者への段階的なトレーニング支援と並行して、翌年度に控える全社展開トライアルという重要な局面にあたり、推進チームとして向かうべき方向性を明確にする「コンセプトワーク」を実施しました。多くの AI プロジェクトで見られる「スピード重視のあまり『何のために』『どこを目指すのか』が曖昧なまま進み、手戻りが発生する」リスクを回避し、戦略的な準備フェーズの支援を行いました。
全社展開トライアルを成功に導くため、ディスカバリーズはコニカミノルタの推進チームとともに、ビジョンと KGI(重要目標達成指標)/ KSF(重要成功要因)を明確化する「コンセプトワーク」を実施しました。さらに、策定した戦略を実行に移すための基盤として、データモニタリング環境を構築しました。

Copilot の全社展開を成功に導くためには、単に AI ツールを導入・活用すること自体が目的ではなく、経営方針や全社的なデジタル変革の実現に向けた施策の一環であるという認識を、すべての利用者に共有することが重要です。この考えのもと、本コンセプトワークでは「翌年度に実施する全社展開トライアルに向けたゴール」を明確化し、推進チームの全メンバーがその目的と方向性を共通認識として持つことを目指しました。
ディスカバリーズの伴走支援メンバーは、コニカミノルタの推進チームとヒアリングやディスカッションを重ね、以下の6つの要素を統合的に整理し、言語化しました。

さらにビジョンを達成するために、「戦略」と「ゴール」、「実行プロセス」を明確化し、以下のような段階的アプローチを設計しました。

コンセプトワークで設計した戦略を実行に移すため、Copilot 利用状況を継続的にモニタリングする、Microsoft Power BI を活用した分析用ダッシュボードをディスカバリーズが構築し、推進チームだけでなく社内の誰もが閲覧できる形で提供しました。
これにより、各部門の利用状況や効果を透明性高く共有し、現場の自律的な改善活動を促進するとともに、部門長が自部門の状況を客観的に把握し、継続判断を行える環境を整備しました。このデータの透明性は、サイロ化した組織構造においても特に有効です。各部門が独立性高く運営される環境では、推進チーム側からの一方的な情報発信だけでは現場の納得感を得にくいという課題があります。しかし、ダッシュボードを全社公開することで、各部門が自部門と他部門の状況を客観的に比較でき、「自分たちはどう取り組むべきか」を自律的に考える土台が生まれました。部門長が自部門の状況を把握し継続判断を行える環境は、押し付けではない現場起点の AI 活用を実現する上で不可欠な要素となっています。

ダッシュボードで可視化している主要な分析軸
このダッシュボードにより、以下のような戦略的な意思決定が可能になっています。
データに基づく意思決定:
コンセプトワークを通じて、推進チームが得た重要な気づきは、策定されたビジョンや KGI といったアウトプットと同等に、そこに至るまでの対話のプロセス自体が価値を持つということでした。
ディスカバリーズは、推進チームメンバーと時間をかけて議論を重ね、「なぜ Copilot を全社展開するのか」「組織として何を実現したいのか」という本質的な問いと向き合える場をファシリテートしました。この対話プロセスを通じて、チーム内での認識が深く統一され、その後の施策展開における迷いや手戻りを最小限に抑えることができています。
多くの AI プロジェクトで陥りがちな、目的や目標が不明確なまま走り出して途中で軌道修正が生じる事態を、本コンセプトワークにより未然に防ぐことができました。全社展開という重要な局面であえて時間を投資しコンセプトワークに取り組んだことが、結果的に推進チームの強固な行動指針となり、プロジェクト成功への最短ルートになったと言えます。
コンセプトワークと並行して、ディスカバリーズは、手挙げ参加した社員に対し、2025年10月から以下のトレーニング支援を実施しました。
参加者の利用段階やニーズに応じてトレーニングを戦略的に設計・実施しました。基礎トレーニングは、全国の社員が場所を問わず参加できるようオンライン形式で開催。一方、ハンズオンワークショップは実際に手を動かしながら学ぶ必要性を考慮し、関東・東海・関西の各拠点で対面開催としました。講師が受講者の操作を直接サポートすることで、現場で生じやすい初期の戸惑いや操作上のつまずきを、その場で解消する場を提供しました
これらの支援により、部分導入フェーズにおいてアクティブユーザー率:99.2%、Copilot Chat 利用率:87.3%、Teams 会議要約機能利用率:97.6% という極めて高い利用実績が得られました。この結果は、短期間で Copilot が日常業務に定着し、業務効率化と生産性向上に大きく寄与していることを示すものです。

2026年4月からスタートする全社展開トライアルは、「部門ごとに最適な生成 AI を選び、確実に効果を出していく」というコンセプトのもと設計されています。
一律に単一の AI ツールを全社に強制展開するのではなく、まず全社員が Microsoft 365 Copilot を実際の業務で試用し、各部門の業務特性や課題に対してどの程度有効かを1年間かけて検証します。この検証結果をもとに、部門ごとに最適な生成 AI 活用の方向性を見極めていく、現場起点の戦略的アプローチです。
このアプローチにより、「使わせる」のではなく「各部門が納得して選択する」AI 活用の実現を目指しています。ディスカバリーズは、引き続きコニカミノルタの全社展開トライアルを伴走支援し、Copilot が単なる効率化ツールに留まらず、組織のイノベーションと価値創造の原動力となる AX(AI Transformation)戦略を共に推進していきます。
コニカミノルタ株式会社 DX 推進室 室長 原田 英典 氏
手挙げ制での高い成果を目の当たりにし、「このまま全社展開トライアルに進めば一定の成果が出る」という期待がありました。しかし同時に、「本当にこのまま進めていいのか」という一抹の不安もありました。
ディスカバリーズ様から「全社展開の前に、推進チームとして向かうべき方向を明確にしませんか」と提案をいただき、コンセプトワークに取り組むことを決断しました。正直、当初は「遠回りではないか」とも感じましたが、実際にチームで時間をかけて議論を重ねる中で、それぞれが持っていた前提や目指したい姿が微妙に異なることに気づかされました。
このプロセスを経たことで、推進チームの結束が格段に強まり、「なぜやるのか」が腹落ちしました。今では、あの時間は決して遠回りではなく、むしろ最短ルートだったと確信しています。
全社展開では、各部門が自律的に判断できる環境を整え、押し付けではない真の AI 活用を実現していきます。ディスカバリーズ様には、引き続き伴走いただき、当社の変革を共に推進していただくことを期待しています。


Copilot を導入しても、活用度に個人差が生まれ、成果を測れず
次のアクションに迷うケースは少なくありません。
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