CSMが語る|ユーザーアンケートから見えた4つの Copilot 成功体験

本記事では、Discoveries Microsoft Copilot (DMC)プロジェクトにおける週次アンケート調査をもとに、Copilot が業務に与える多面的な効果を解説しています。
忙しい社員の日常業務の中で、あえて頻繁にアンケートを実施することで、Copilot の利用意識の向上や成功体験の記録、そして迅速な課題把握と改善策の検討が行われました。アンケート結果からは、会議の効率化による時間削減、文書作成やレビューを通じた仕事の質向上、新たなアイディアの発見、そして働き方やモチベーションの変化といった、4つの主要な効果が浮かび上がりました。
Copilot が単なるツールを超え、組織全体の業務改革とコミュニケーションの向上に貢献している実例をご紹介します。


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著者
プリンシパルカスタマーサクセスマネージャー 鈴木慎也

カスタマーサクセスチームで、生成AIの利活用やビジネス開発を担当。
NTT東日本や日本マイクロソフトなどを経て、20年以上にわたり大手企業向けの営業・カスタマーサクセスに従事。従来型の日本の働き方に疑問を抱き、ITの活用による働き方改革に継続的に取り組んできた。お客様やチームの意見を積極的に取り入れながら「オープンマインド」を大切にし、変化の激しいIT業界で好奇心を持って、新しい技術やサービスを追求し続けている。
趣味はサッカー観戦で、スター選手だけでは勝てないチームスポーツの奥深さから、個々の能力を引き出し合う“協働の重要性”を学び、それを日々の仕事にも活かしている。

週次アンケートで探る Copilot 活用の状況

Copilot利活用プロジェクトでは、効果測定や推進チームの施策検討のため、毎週アンケートを実施していました。日常業務で忙しい社員には申し訳なかったですが、週次という、高頻度でアンケートを取ったのには以下のような意図がありました。

  • Copilotを業務の中で意識的に活用してもらう
  • 便利だと感じた成功体験を、記憶が新しいうちに文字で残してもらう
  • 事務局としてユーザーが抱える課題を早期にキャッチし、改善策に反映させる

今回は、アンケート結果から見えてきたCopilotの具体的な活用例とその効果を、CSMの視点でご紹介します。

Copilotが実現した業務改革の全体像

アンケートでは、主に以下の4つの観点から「使い方」や「成功体験」について回答を集めました。

  1. 時間削減
  2. 質の向上(資料作成や会議)
  3. 新しいアイディアの発見
  4. 働き方やモチベーションの変化

それぞれの観点について、具体的な事例をご紹介します。

1.時間削減

多くの利活用担当者が、Copilotを利用する際の投資対効果として注目するのが、業務時間の短縮でしょう。従来のITツール導入と同様、非効率な作業を効率化し、コア業務により多くの時間を割けるようにすることが期待されると思います。

アンケート回答の中で時間削減効果を感じている業務で、圧倒的に多かったのは「会議」です。

具体的には以下のような使い方が挙げられました。

  • 終了した会議内容を要約してもらう
  • 途中参加した会議の内容の確認
  • 会議中に聞き逃した内容を教えてもらう
  • 参加していない会議のキャッチアップ

これにより、単に作業時間が短縮されるだけでなく、「議論に集中できるようになった」や「これまで無駄に出席していた会議は会議メモで済ませるようになった」といった、会議そのものの質の向上や働き方の改善にもつながっています。

会議は、あらゆる部門、あらゆる役職でも共通している業務のため、比較的容易に共有化できる「成功体験」かもしれません。

2.質の向上

Copilot(生成AI)の大きな強みの一つは、仕事の質を向上させる点にあります。たとえば、書類の誤字脱字の修正や、メールの下書き作成、コーチングによる意図の明確化など、伝えたい内容が正確に伝わるようサポートしてくれます。

質の向上を感じた業務として一番多く回答があったのは「会議」でした。それは前述の「時間削減」の項目で触れたので、ここでは別の活用シーンをご紹介します。

それは、「文章作成とレビュー」です。

分かりやすい文章を作るには訓練と経験が必要で、人によって得手不得手もあり、若手社員にとっては大きな課題になることもあります。そこで、自作の文章やメールを Copilot に読み込ませ、より分かりやすい文章の案を提案してもらう。これにより、上司や先輩に頼む場合と比べ、時間を節約しながらも資料の質を高めることができているようです。

資料のレビューは、上司や先輩に依頼をし、互いに時間を取って確認する、という点では、お互いの時間を拘束しますし、「どのような指摘が入るのだろう」というプレッシャーに感じることもあるでしょう。レビューをCopilotにお願いすることで、時間を削減しながら資料の質を上げることができているようです。

ちなみに、Copilot に頼ることで、社員間のコミュケーションが減る懸念を持たれる方がいるかもしれません。

アンケート回答では、「レビューの前の準備が迅速になった」というように、実際のレビューは「人同士」で簡潔に行い、事前準備に生かしているケースが多くみられました。
このように効率と質の両立が実現されています。

3.新しいアイディアの発見

Copilotは、自分では思いつかないアイディアをくれたり、Copilotからの回答をヒントに、自分が新しいアイディアを生むきっかけをくれます。
Copilotが使えるようになると、「相談相手」として得られることが増えます。これが成功体験です。

社員は、Copilotを「相談相手」または「壁打ち相手」として、企画書や提案書、コンサル書類の作成時に新しいアイディアを得ているようです。

「調べ事」だけではなく、「過去の会議メモ」や「会話履歴」など業務から生まれている「フロー情報(その場限りで共有する情報、または流れていく情報)」から、新しいアクションのヒントを得ているようなケースもあるようです。また、エンジニアではない職種の人やプログラミング言語に不慣れな人がExcel関数やプログラミングコードのアイディアをもらっているようです。

このように Copilot で「新しいアイディアを発見すること」は、「生成AIをアハ体験するきっかけ」として最適といってもいいかもしれません。

4.働き方やモチベーションの変化

私が個人的に注目しているのは、Copilot を使って仕事の仕方が変わることで、「働き方の変化」や「モチベーションの変化」へどのような影響を与えているかです。

結論として、Copilot の利用は、働き方そのものや社員のモチベーションにも大きな変化をもたらしています。アンケートでは、以下のような効果が報告されました。

  • Copilot によるコミュニケーションサポートで、人間同士の対話の質が向上した
  • 精神的な負担が減り、心のストレスが大幅に無くなった
  • 時短した分、業務を早く終わらせ、他の業務に取り組めるようになった

業務効率が向上することで、仕事の進め方が変わり、結果としてモチベーションもアップしています。また、Copilot を「相談相手」として活用することで、心理的な不安が解消され、安心感が得られているという声も多く、これが組織内の人間関係の改善にも寄与しているようです。

まとめ

今回のアンケート調査から、Copilotがもたらす効果は単なる業務効率の向上に留まらず、仕事の質の改善、新しいアイディアの創出、そして働き方やモチベーションの変革まで多岐にわたることが明らかになりました。

今後も Copilot の活用により、これからも多くの成功事例が生まれ、業務改革が進むことが期待されます。


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やみくもに社内に導入・展開をしてもなかなか結果は出ず、長期的に活用していくためには、ガイドラインの設計や社員モチベーションの向上、効果検証等、たくさんのステップが存在します。

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