首都圏でマルエツ、カスミ、マックスバリュ関東、3社のスーパーマーケットを展開。お客様に「感動を生む体験」を提供することを目指し、現在、様々な改革・挑戦に取り組んでいます。

 「食」を通じてお客様とつながるために

人口減少、高齢化、核家族化、生活の多様化。社会や暮らしが大きく変化する中、スーパーマーケット業界も新しい時代に向けた変革が求められています。このような現状を受けて、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社(U.S.M.H)は、新たな提供価値の主軸として「料理」や「食」に注目。人材育成の観点から社員向けの調理学習プログラム「リテール シェフアカデミー」を企画しました。U.S.M.H管理本部 人事総務担当の石田氏は、その目的を「生活者視点での店舗づくり」だと語ります。
石田氏「私どもの提供価値を見直す中で、価格・品ぞろえ・清潔といった従来の価値に加え、今後は『お客様とのつながり』や『お客様と新しい商品との出会い』が重要になると再定義しました。そして、まずその中心になるのが食。商品知識だけでなく、素材の活かし方などまで提案できれば、大きな来店動機になりえると考えたのです」

学ぶだけでなく、身につく研修プログラムを

リテールシェフアカデミー WEBサイト

標準機能・標準アプリを中心に組んだことで、シンプルで使いやすいシステムと早期の開講を実現することができました。

シェフアカデミーの研修プログラム作りは、料理学校の講師などから意見を集めるところからスタート。U.S.M.H 経営本部 人事企画担当の矢口氏は、ヒアリングを通じて、実習だけにとどまらない学びのサイクルの重要性を認識したと言います。
矢口氏「講師のみなさんにお話をうかがう中で、調理を学ぶためには繰り返しや積み重ねが大切であること、実習だけではなく、それを定着させる仕組みも重要であることに改めて気づかされました。そして、そこから検討を重ねた結果、予習・実習・復習のサイクルをプログラムに組み込み、学ぶだけでなく“身につく”研修を目指そうという方針が固まりました」

U.S.M.Hでは、シェフアカデミーの仕組みづくりにおいて、効果の見える化や効率化も重視。まずは既存のラーニングシステムを検討しつつ、Microsoft 社にもご相談されたところ、ディスカバリーズをご紹介され、そのご縁から今回のパートナーシップが始まりました。
石田氏「知見も経験もない状態でのスタートなので、最初から完璧な研修プログラムを目指すのではなく、実際に使用しながら完成度を高めたいと思っていました。しかし、既存のシステムでは、なかなかそういうアプローチが難しい。そこでディスカバリーズさんに相談させていただき、柔軟にトライ&エラーできるシステムを作れないかという要望をお伝えしました」

ディスカバリーズでは、設計の自由度、改善・改修の柔軟性といったご要望に加え、運用負荷の軽減という要素も考慮し、U.S.M.H社内に導入済だった Microsoft 365 の活用を提案。プロトタイプを組み、実際に見て操作していただきながら、お客様とともに研修プラットフォームを構築していきました。

 Microsoft 365 の機能を活かし、学びのサイクルを実現

第1期のシェフアカデミーは、2週間に1回、全12回の研修プログラム。グループ各社から講習生が集まり、調理の基礎から学ぶことになりました。
受講生は、あらかじめ用意された講義テキストを研修プラットフォーム上で確認してから、リアルでの研修に参加。講義後は、調理の過程や学んだことなどを「振り返りシート」に記入し、研修プラットフォームに投稿。次の講義までに復習テストもおこないます。また、講義終了後数日で講義動画がアップされ、学びの熱が冷めないうちに復習することも可能となっています。

すべての入り口を Teams に集約

運営からの連絡や受講生からの問い合わせなどは Teams 上で実施。
コミュニケーションを一元管理することで、メールベースでの連絡や情報共有に比べ大幅な負荷軽減に。

Teams 上でレポート提出

受講生は、講義のまとめなどを PowerPoint のドキュメントに記入しプラットフォームに投稿。
他の受講生からも閲覧可能で、コメントや“いいね”といったリアクションも付けられます。

予習・復習サイト

予習用のテキストや実習の動画、「学びの定着」を目的とした復習テストなどもプラットフォーム上に掲載。
復習テストは Forms で作成されているため、設問の調整や正答率の把握なども容易。

学びと気づきの積み重ねが、イノベーションの第一歩に

トライアル的に実施された第一期のシェフアカデミーですが、受講生の満足度も高く、すでに実際の現場において様々な成果が生まれているそうです。

売り場や商品開発への波及効果
シェフアカデミーで学んだ受講生たちは、身につけた知識や経験をさっそく日々の業務へと展開。新たな発想でのチャレンジが始まっています。
矢口氏「講義での学びをもとに“出汁”というテーマで売り場を作った受講生もいました。出汁というテーマ設定も、青果や食肉といった部門の壁を越えた商品提案も、今までになかった発想。まさに生活者視点での売り場づくりです。シェフアカデミーの意味を、あらためて感じました」
石田氏「シェフアカデミーの影響は商品開発の現場にも波及していまして、受講生を中心に素材や調味料の選択、塩分濃度など、従来にない視点で新商品を開発するようになったそうです。また、一から味を作る経験は、商品調達の人間にも大きな刺激をもたらしている様子で、今後、商品調達、商品開発、販売すべての現場にこういう新たな視点が加われば、我々にとって大きな強みになると期待しています」

コミュニケーション向上
グループ各社から年齢も役職も異なる受講生が集まることで、これまでになかったコミュニケーションが生まれたほか、研修プラットフォームを通じて、さらなるコミュニティ形成への足掛かりも得られています。
矢口氏「他の受講生の振り返りシートを見て、そこにコメントを投稿したり、“いいね”を付けたり、少しずつですが受講生同士の交流が生まれています。また、第1期生が第2期生の様子をチェックするなど、期を超えたつながりも出てきています」
石田氏「グループ各社の上層部の人間もこの研修プラットフォームに招待したのですが、みなさん興味深くご覧になっているようで『もっと多くの人に見てもらうべき』といったご意見が届いています。今後は、より広く、より深い交流が生まれるようにいろいろな仕掛けや仕組みを考えていく予定です」

Microsoft 365 の活用促進
想定外の効果ですが、シェフアカデミーへの参加を通じて Microsoft 365 の各種機能に触れたことで、リテラシーの向上やツールのスキルアップが見られたそうです。ITツールは業務の効率化やDX化の基本、より一層の推進・普及が期待されています。

DX的観点から、人事制度との連携も構想

シェフアカデミーの改善・改修をより効果的なものにするために、U.S.M.Hでは講師の意見や受講生の声といった定性的な評価に加え、今後は数値を基にした定量的評価の拡充も目指しています。
これに対してディスカバリーズでは、各コンテンツの利用頻度・利用時間などの数値をもとに、受講生の習得度やプラットフォームの使われ方を評価する仕組みを提案。すでに「学びの定着」という観点で復習テストの改善・改修を実施したほか、今後は、より詳細かつ精度の高い効果測定プランを構築していく予定です。

プラットフォームに集められた数値やデータは、研修という枠を超えた可能性も期待されており、U.S.M.Hでは将来的な展望として「人事制度との連携」も構想しているそうです。

石田氏「受講生のデータや研修履歴は、社員のタレントマジメントという面で非常に有望な情報になりえます。『誰が、いつ、なにを学んだか?』を蓄積していくことで、人事異動や人事配置、キャリアの登用などの際に、大きな参考となるのではないかと期待しています。また、このプラットフォームが一定レベルまで成熟したら、この仕組みを他の研修プログラムにも横展開しようというプランもあります」

このように多様な可能性が見えてくるシェフアカデミーの研修プラットフォーム。
現在は第2期の研修がはじまり、第3期では「思い切ったブラッシュアップ」も予定されているそうです。

お客様のコメント

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社
管理本部 部長
人事総務担当
石田重樹氏

私たちなりの利用イメージや実現したいことをお伝えして、ディスカバリーズさんがカタチにするというプロセスを繰り返しながら開発していったのですが、非常に相談がしやすく、対応も柔軟でスピーディ。一緒に取り組めたことに感謝しています。

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社
経営企画本部
人事企画担当
矢口宏樹氏

コロナ禍のため、ほぼリモートでのコミュニケーションでしたが、とても人間味のある対応をしていただいことが印象に残っています。また運用が始まってからも、問い合わせへの回答やトラブルのサポートなどが迅速かつ的確で非常に助かりました。

事例公開日:2022年1月20日