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業務の合理化で浮いた時間を職員・住民サービスのアイデア創出へ

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豊島区 政策​​経営部 情報管理課庁内 LANグループ 情報担当係長 木本 隆 氏

「豊島区では、従来紙による申請業務が多く、決裁フローなど非効率的な業務による時間のロスや膨大な申請書類の保管場所など、 多くの課題を抱えていました。上司の決裁がないと手続きが進まず、不在時には手続きが遅れ、交換便などによる紙のやりとりにも時間を取られていました。​​また紙による保管のため、検索ができないということも課題の一つでした。 新庁舎への移転が予定されている豊島区では、移転時に紙を60%削減するという目標を設定しており、情報管理課でも課の取り組みとしてペーパーレス化を積極的に進めていました。このような課題を解決する方策として、決裁の電子化によって業務の効率化を図り、事​務業務を迅速化させることを目指していましたが、SharePoint のワークフロー機能を簡易決裁に利用できるということを知り、活用を検討しました。 広報課では、各課からよせられる行事予定の申請などで毎月大量の紙による申請の事務処理が発生していましたが、ディスカバリーズ社のサービスを受け、各申請業務が電子化され、紙による処理が減り業務が合理化されたのではないかと思います。」

 

背景と狙い

「豊島区では、情報化推進計画に沿ってSharePointを導入し、公文書の一元管理を目指しました。導入の主な目的は起案文書以外の文書の管理で、ワードやエクセルファイルを簡単に保存でき、保管したファイルを検索できる点に期待していました。また同時に職員ポータルを立ち上げ、庁内の情報共有を進めることで業務の合理化を図り、住民サービスの向上を目指したいと考えていました。しかしながら、職員ポータルは職員にとって使いにくく、利用が進まないということが、情報共有を進める上での大きな課題となっていました。情報管理課では、職員ポータルが職員にとって身近で使いやすいものになることこそ、本来の目的である組織としての文書管理を進めることにつながると考え、ディスカバリーズ社と一緒にポータルのリニューアルを検討し始めました。」

活用に向けた取り組み

ホームページ注目情報掲載申請
豊島区の広報課は、他課からのホームページの掲載申請において、申出書の受付処理から通知書による承認通知という一連の申請プロセスに作業負荷が高く、また同一の項目の転記作業も多く、 合理化したいと考えていました。こうした課題に対してディスカバリーズは、既に導入済みの SharePoint と Office InfoPath といった IT 資産を有効活用することを提案し、 新たな開発をせず、申請者の入力作業およびホームページ担当者の受付業務の負担軽減を図る新たな掲載申請フローを実装しました。 このような申請業務の電子化により業務が効率化されただけでなく、申請者は承認状況をポータルから常に確認することができるようになり、 ホームページ担当者は電子データとして蓄積される過去の申請内容を利用して、集計や分析なども容易に行えるようになったといいます。

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効率化で浮いた時間はアイデアの創出に
「広報課の業務は従来紙メインの作業が多く、電子ベースで届く申請も印刷して部内で処理をすることが多く、非効率だと感じていました。以前に所属していた情報管理課での経験から、 このような業務を電子化するメリットを知っていたため、申請業務の改善の必要性を強く感じていました。 申請業務の改善にあたっては、費用をおさえることと自分たちで修正ができる柔軟性を重視して、カスタマイズせずSharePointの標準機能のみで実現したいと考えていました。 そうすることで、他の業務への転用も可能になり、また費用をかけずに効率化できることが大きなメリットであると考えていました。 電子化による申請業務の効率化により、非効率な手作業による転記が減り、申請業務に取られる時間が格段に減りました。 今後は、職員ポータルを単に資料の置き場ではなく、遊び心のあるコンテンツも増やして、幅広く活用していきたいと考えています。」豊島区 政策経営部 広報課 ホームページグループ ご担当者

 

豊島区行事予定申請
豊島区では毎月200件を超えるイベントが企画・開催されており、広報課でイベント管理の業務全般を担当しています。以前は毎月各課から 提出される行事予定連絡票(Excelファイル)の内容を確認しながら別のExcelファイルへ転記して一覧にまとめ、そのうち掲載すべき行事を選択して 豊島区行事予定リストを作成し、各課へメールや紙で配布していました。このため、行事予定の転記作業や、申請内容の修正で生じるメールでのやり取りなどに 時間がかかり、担当者にとって大きな業務負荷となっていました。 このような課題に対して、ディスカバリーズでは、紙で配布していた行事予定リストを廃止し、SharePointで作った職員ポータル上でInfoPathを使った デジタル申請を実装することで広報課がイベント情報を一元管理できるようになり、同時に必要な人が職員ポータル上でイベントの情報を得られるような 仕組みを提案しました。これにより、行事予定の転記作業がなくなり、職員ポータル上で承認状況なども確認できるようになり、 イベントの管理を行う広報課の業務が合理的に行えるようになりました。

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「広報としま」入稿管理
豊島区では、区政全般にわたる情報を、わかりやすく正確に広く区民に伝えるため、広報紙「広報としま」を毎月3回発行しています。 広報としまは日刊紙への折り込まれるほか、区内各駅の広報スタンドや区施設の窓口で配布され、区政や地域の情報、イベント情報など住民に役立つ情報が掲載されています。 広報としまの入稿業務では、原稿様式の修正作業、記事ごとの入稿フォルダの作成、紙への印刷など、作業に関わる書類が大量で、入稿管理を担当する広報課担当者の大きな負担となっていました。 ディスカバリーズは、すでにある IT ツールとしてWordに着目しSharePointと連携した新たな申請フローを取り入れる手法を提案しました。 これにより申請者は使い慣れたWordで原稿を作成し、SharePointで作った職員ポータルから入稿した原稿の承認状況を簡単に確認できるようになりました。 また制作者である広報課担当者にとっても入稿管理が一元化され、原稿の変更管理が可能になり、課題の一つであった原稿やヘッダーへの 入力情報(文字数、入力情報)の制御も可能となり、手戻りや確認作業といった作業から解放されました。

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業務の合理化と可視化がすすんだ

「豊島区で発行している広報誌の入稿管理では、様式の統一ルールはあるものの、寄稿・出稿の申請様式がまちまちで、 編集グループで一度手を入れて加工しないと処理が進められないということが多く、作業が少なからず発生していました。 職員ポータルを利用した申請業務の効率化によって様式が統一ができ、非効率な作業が減っただけでなく、業務が可視化できるように なったことも大きなメリットです。入稿管理フローで常に誰もが現在のステータスを把握できるようになりました。 今後は職員ポータルで双方向性のコミュニケーションが取れるような、SNS的なものを期待しています。」豊島区 政策経営部 広報課 編集グループ ご担当者

今後の展望

庁内には紙による申請業務が多く残っているため、情報管理課では広報課の申請業務改善が成功例として、全庁的に申請業務の効率化が 進むことを期待されています。100名を超える現課の情報化推進員に対して、各課の業務の合理化を進めるためのSharePointを使った 電子業務申請やオンラインアンケート形式の情報収集などの研修を行うなどの施策もすでに始まっており、ペーパーレス化の取り組みも継続していきたいと考えています。

事例公開日:2010年6月21日