キリンビジネスシステム株式会社
2024.07.19

SharePoint を使った「ITサービス活用ポータル」を構築し、現場のICTリテラシー向上のためすぐに使える実践的なトレーニングを展開

社名:キリンビジネスシステム株式会社
業種:製造業 
従業員数:300名以下

キリンビジネスシステム株式会社は、キリングループの情報システム会社として、システム開発・運用・保守・ユーザー支援などの領域を担当。「価値創造を加速するICT」を掲げ、グループの従業員約3万人を対象にICTリテラシーの向上に取り組んでいます。そのために、ITツールの活用やコミュニケーションの改善などを目的とした様々な施策を展開に、「Microsoft 365 活用支援サービス」「デジタル アカデミー」をご活用いただきました。

キリンビジネスシステム株式会社の事例を詳しく読む>

導入前の課題
  • 情報発信ためのポータルサイトが『どこになにがあるかわからない』『そもそも情報があることさえあまり知られていない』という状況
  • デジタル化をすすめたいが、現場はアナログな文化が強く、個人のICTリテラシーやモチベーションを高めたかった
導入後の効果
  • ユーザーへの情報到達性、運用・管理の簡便性などに優れた、非常にレベルの高いサイトを構築
  • グループ全体のICTリテラシーレベルが着実に向上

導入事例集をダウンロードする

詳細を見る

情報共有の最適化からコミュニティ始動まで、キリンブランドの新しい価値創出をサポート

DXやICT(情報伝達技術)の活用は、いまや企業や事業の未来にとって欠かせないテーマとなっています。キリングループにおいても「長期経営構想 キリングループ・ビジョン2027 (KV2027)」に基づきグループ全体でビジネスの変革を推進する中で、そのビジョンを実現するために必要なイノベーションを持続的に生み出す組織能力の一つとして「価値創造を加速するICT」を掲げ、グループの従業員約3万人を対象にICTリテラシーの向上に取り組んでいます。このプロジェクトを手掛けるワーキングスタイル変革グループの井上氏は、ICTリテラシー向上の役割を「土台づくり」と語ります。井上氏「キリングループ全体でデジタルテクノロジーを活用して生産性や創造性の向上を目指すという戦略を描く一方、現場を見ると、何かあったらすぐに電話で連絡するなど、アナログな文化がまだまだ根強い。そういったギャップを埋めるべく、まずはベースとなる個人のITスキルやモチベーションを高めよう、一人ひとりのICTリテラシーの底上げをしよう、というのが現在の私どものミッションです」

グループ共通システム統轄部 ワーキングスタイル変革グループ 部長 兼 キリンホールディングス株式会 社情報戦略部 主務 井上直樹 氏

「今までのキリンにはない発想や提案をいただき、社内に新しい風が生まれたことは本当に大きな成果だと感じています。今後も“人づくり”や新たな社内カルチャーの醸成といった部分でぜひご協力をお願いしたいです」

グループ共通システム統轄部 ワーキングスタイル変革グループ 担当部長 辻 佐知 氏

「提案のバリエーションが豊富で、しかもスピーディ。そのおかげで、限られた時間の中でも非常に高いレベルの議論やアウトプットが実現できたと感じています。これからも既成概念に縛られない発想で、ぜひ一緒に新しいキリンを作っていけたらと思います。」

グループ共通システム統轄部 ワーキングスタイル変革グループ 谷口 直子 氏

「ITサービス活用ポータルや各種コンテンツの拡充はもちろんですが、これからは人と人を結びつけるという部分も重要になると考えています。そのあたりについても、ぜひ引き続きアイデアをいただき、新しい風、新しいカルチャーを生み出していけたらと考えています。」

プロジェクト開始当初に直面した課題

ICTリテラシー向上への取り組みは、当初、「グループポータルサイト」および「ICTリテラシー向上推進担当者(グループ各社・各部から約300名を選任)」による情報発信を中心に進められましたが、思うような成果が上がらず目標達成に至らなかったといいます。

辻氏

「当時はツールのマニュアルなどいろいろとコンテンツを増やしていったのですが、ごく一部の人にしか活用されておらず、多くの従業員にとって当時のグループポータルサイトは『どこになにがあるかわからない』『そもそも情報があることさえあまり知られていない』という状況でした」

谷口氏

「ICTリテラシー向上推進担当者を通じて各種ツールの活用促進を進めたのですが、なかなかうまく機能しませんでした。すでに定着している業務手法をICTリテラシー向上推進担当者だけで変えていくことは予想以上にハードルが高く、さらにそれに対して事務局として十分なサポートができなかったこともあり、担当者のモチベーションやパフォーマンスが上がっていかなかったのです」

徹底的なユーザー視点に基づき、ポータルサイトを構築・最適化

コンテンツや人員を増やし、オンラインとオフラインの両面で情報発信したにもかかわらず、なかなか成果があがらない…。
ディスカバリーズでは、こういった課題を解決すべく、まずは2021年の「ITサービス活用ポータル」構築からご支援を開始しました。

ICTリテラシー向上のためのプラットフォーム最適化を実現「ITサービス活用ポータル」新設
徹底的なユーザー視点に基づき、ポータルサイトを構築・最適化全社共通のポータルサイト上でICTリテラシー向上に向けた情報を発信することも検討しましたが、情報伝達設計やユーザビリティの面で限界があるため、キリンビジネスシステムにて専用の「ITサービス活用ポータル」の新設を企画。ディスカバリーズでは、SharePointによるサイト構築をベースに、導線の強化や運営の効率化なども含め「わかりやすく・使いやすく・ユーザーニーズとコンテンツがストレスなくつながるサイト」を実現しました。

辻氏

「新設時の開発期間は2カ月ほどでしたが、他社事例なども踏まえつつ、要望に対するプラスアルファの提案も含めて様々なアイデアをいただきまして、結果として、ユーザーへの情報到達性、運用・管理の簡便性などに優れた、非常にレベルの高いサイトを構築することができました」

デジタルアカデミーでトレーニング、コミュニティ運営、社内プロモーションまでを戦略的にサポート

もともとはITサービス活用ポータル新設のご依頼から始まったご支援ですが、2022年からは、「長期経営構想 キリングループ・ビジョン2027」の達成に向けてさらにサポートの範囲を拡大。ディスカバリーズが提供する「デジタルアカデミー」サービスをベースに、従業員向けITツールの教育企画、自己学習できるオンライン教材の準備、ポータルサイトやオンラインコミュニティを通した教育施策やコンテンツの周知などを一貫した戦略に基づいて企画・実行しました。

ITサービス活用ポータルに関しては、コンテンツの増加やユーザーニーズの変化に合わせて、ユーザビリティを最適化するなど継続的な支援を実施。さらに、「ITサービス活用ポータルで学習した従業員のICTリテラシーレベルが向上している」という調査結果から「サイトの利用者数・利用率を高めることが、より多くの従業員のリテラシー向上につながる」という仮説を立て、サイトへの誘導強化施策も企画。興味喚起を目的としたプロモーション動画制作や、ICTリテラシー向上推進担当者のコミュニティ運営支援など、各分野の人材がチームを組み、戦略面から戦術面に至るまでスピーディかつフレキシブルなサポートを行いました。

ITツールの特徴×利用シーンで「すぐに実践できる」と好評 オンライン講座「技あり!ICT塾」

「デジタルツールに興味はあるが、なんとなく手が出ない」「ツールの機能だけでなく活用するタイミングも教えてくれたら、挑戦してみたい」
といった温度感の方たちを対象にデジタルアカデミー企画を提案。Microsoft365 の使い方や業務に活かすコツなどを紹介するオンライン講座の開催に加え、各回のテーマ設定や講義資料の作成、様々な勤務形態の従業員に役立つ汎用性の高いテーマについては講師役も担当しています。

谷口氏

「毎月1回ほどのペースで開催していますが、毎回、非常に好評でリアルタイムでの参加者は累計3,400人を超えています(2022年9月現在)。講座のアーカイブ動画や資料も継続的に閲覧されており、入門用のコンテンツとして長く使えるものに仕上がったかと思います

グループ内での認知拡大・興味喚起に貢献思わずやってみたくなる 実践型「プロモーション動画」

ICTリテラシーの底上げのためには、「ITツールは苦手」「できれば今のやり方で業務を進めたい」といった層に対して、サイト上での情報発信だけでなく、より積極的な働きかけが必要であるとの判断から、直感的でインパクトの強い訴求が可能な動画でのプロモーションを提案。
ITが苦手な人にも親しみやすいキャラクターたちが、各種学習コンテンツを参考にしつつ、業務を効率化し成長していくというストーリーを通じて、「やってみよう」「自分にでもできそう」といった気持ちを喚起するとともに、サイト訪問を促すところまでを企図しました。

井上氏

「WEBサイトはプル型媒体ですので、無関心層のアクセスを呼び込むにはプッシュ型の施策が必要になります。その点において、この動画は非常にインパクトのある仕上がりで、回を追うごとに視聴者数が伸びていき、サイトへの流入数の面でもしっかりとその役割を果たしてくれたと思います」

実戦サポートから心理的ケアまで 「ICTリテラシー向上推進担当者のコミュニティ活動支援」

社内プロジェクトの推進メンバーは、通常業務などに追われ、思うように動けないことが珍しくありません。ICTリテラシー向上推進担当者に関しても、同様の課題が見られたため、それを解消すべく、社内を巻き込むための施策を提案。各担当者が所属する組織や管理職に対して、ICTリテラシー向上の意義や目的、各担当者の役割などをご理解いただき、活動を後押ししていただくためのプランを提供しました。また、それぞれの担当者に対しても、実状に即した、より現実的なサポートを計画。現場での実践に役立つ情報提供や、チームビルディングのための「合同会議」の企画設計など、スキルアップやモチベーションアップ向上につながる支援を行いました。

谷口氏

「活動の基盤が整ってきましたので、今後は担当者同士のつながりを強化することで、成功事例の共有や水平展開などを積極的に進めていきたいと考えています。モチベーションに関しても、ディスカバリーズさんと一緒に合同会議の内容や進め方を変えたことで、小さいながらも火が灯ったので、この火を大切にしながら担当者のみなさんの熱量を上げてあげていきたいです。

80%以上が目標レベルに到達し、グループ全体で経営計画目標(達成)に向け順調に推移

多角的な取り組みの結果、キリングループ全体のICTリテラシーレベルは着実に向上。初年度の課題に対処、2022年は目標達成に向け順調に推移しています。

井上氏

「半期ごとに任意回答にてICTリテラシーレベルに関するアンケート※を実施し、動向を調査・評価しているのですが、このアンケートへの回答数が2022年は倍増。ICTに対する関心度の高まりを実感しています」

谷口氏

「ICTリテラシーレベルに関するアンケートでは、自分のICTリテラシーレベルを自己評
価していただいているのですが、その回答からも順調にレベルアップしている様子が感じら
れます」


※ICTリテラシーレベルに関するアンケート:単なるITツールの理解度を図るテストではなく、ITツールを活用し業務改善に向けた取り組み状態を実感値として回答するアンケートです。

ワーキングスタイル変革グループが主導するICTリテラシー向上の取り組みは、基礎力アップというテーマを継続しつつ、2023年からはさらに上のレベルへとステップアップする予定。次の段階においては、知識やスキルを上積みするだけでなく「意識や行動を変えていく必要がある」と井上氏は語ります。

井上氏

「チームや部署などの枠を超え、社内外も含めて縦横斜め全方位的につながることで、そこから新しい発想や価値が生まれるというのが私たちの目指す未来像です。今後の取り
組みでは、そういったコラボレーションを主体的かつ積極的にリードしてくれる人をいかに作っていくか? つまり“人づくり”というところが非常に重要であり、そのためにはコミュニティ運営の強化が急務であると考えています」

ディスカバリーズでは、ITツールの活用促進をはじめ、デジタルに慣れ親しむための多角的な企画運営サポート、ICTリテラシー向上推進コミュニティのさらなる活動促進までを視野に継続的かつ発展的な支援を計画中。キリングループの中長期計画達成に向け、人と人が有機的につながるための仕組みづくりと新たな価値創造に向けた風土づくりを支えてまいります。

<ご提案したソリューション>
■Microsoft 365 活用支援サービス

  • ITツール活用のための施策立案
  • 「ITサービス活用ポータルサイト」の立ち上げ支援
  • 「ITサービス活用ポータルサイト」を通じた情報発信

■デジタルアカデミーサービス

  • 継続的な教育施策の企画
  • オンライン講座「技あり!ICT塾」
  • ユーザープロモーション動画制作
  • ICTリテラシー向上推進担当者のコミュニティ運営支援
 PDF版はこちらからダウンロードいただけます

是非右側のフォームよりダウンロードしてご覧ください。
(※無料でダウンロードが可能です)