株式会社東横インは、1986年に東京蒲田に第 1 号店をオープン。「清潔・安心・値ごろ感」のある宿泊提供を行うことで、お客様の支持を得て成長を続けて来ました。 2016 年に創業30周年を迎え、現在は海外を含む 267 店舗約 54,000 室を展開しています( 2017 年 6 月現在)。

 

今後 30 年の成長ビジョン達成に向け、情報共有基盤を刷新

株式会社東横イン (以下、東横イン) は 1986 年に創業以来、「好立地で、きれいで、明るくて、手頃な値段で、安心して宿泊できる」という、当時としては画期的なビジネスホテルの姿を実現し、多くのユーザーからの支持を獲得。順調に店舗数を増やしながら成長を続けてきました。その勢いは現在も衰えることはなく、「全世界に 30 年で 50 万室をつくること」「日本一女性が働きたい職場にすること」「社会から尊敬される会社にすること」を社長の黒田 麻衣子 氏はビジョンとして掲げ、さらなる成長に向けて邁進しています。

この壮大なビジョンを達成するために、お客様にサービスを提供する環境を整備するべく、同社は 2016 年に、クラウドを活用することで社内の情報共有基盤を全面的に刷新。社内ポータルを中心に、世界約 270 店舗の社員をつなぐコミュニケーションを実践しています。

業務の“効率化”と“見える化”を目指してクラウドを採用

東横インでは、従来からグループウェアとしてオンプレ型の国産製品を利用していましたが、保守切れに伴い、サーバーメンテナンスなどの運用負荷がかからないクラウド サービスへの切り替えを決断。選考に際しては、下記の 3 項目を重視したと、プロジェクトを指揮した熊澤 加代子 氏(東横INN豊橋駅東口・東横INN三河安城駅新幹線南口 支配人)は説明します。

  •    ・スタッフ全員が情報をインプット / アウトプットできること
  •    ・社内の業務プロセスを円滑化すること
  •    ・誰にも使いやすく、自社内で運用を続けられるシステムであること

「目指したのは業務の“効率化”と“見える化”です。接客品質の向上を図るためには、上意下達の一方的な情報提供を行うだけでは意味がありません。現場のスタッフからの情報発信も不可欠です。そして、今まではFAXと紙で行っていた各種申請業務を改良することも重要でした。例えば、各店舗の発注承認申請も、本社へFAXを送っていたのですが、FAXの未達のほか、本社スタッフが集計のため、PC入力を行う手間がありました。何より、承認がどこまで進んでいるのか分からず、各店舗では『いつ届くのか…』と気を揉む状況がありました。こうした課題を一気に解決できるシステムを、コストや人材の負担も少なくして運用したいという希望がありました」と熊澤氏。こうした要望を満たす社内ポータルとして、Office 365 の SharePoint Online の活用を決定しますが、 1 つ課題がありました。それが“ SharePoint Online の自由度が高すぎて、初心者にはハードルが高い”ということでした。

「真っ白なキャンパスに自由に絵を描きなさいと言われているようなもので、何をどうすれば希望通りのシステムにできるのか、さっぱり分かりませんでした。そこで、日本マイクロソフトに相談したところ、ディスカバリーズさんを紹介いただきました」

導入支援コンサルティングを活用し、社内にナレッジを蓄積

東横インが、パートナーとしてディスカバリーズを選択したポイントは「自立運用に向けたサポート」にありました。
「当社には、“できる限り、自分たちの手で行う”という企業文化があります。社内ポータルに関しても、パートナーに任せっきりにしてしまうのではなく、今後の改修作業などをできる限り社内で行うことで、現場から届くであろう細やかな改善要望にも応えていこうという想いが、当初からありました」(熊澤 氏)

そこで、東横インではディスカバリーズの提供する Office 365 のアドオン製品である「 Discoveries InSite 」に「導入支援コンサルティング」を併せて活用しています。機能要件の整理から構築、そして運用開始後の社内への定着に至るまで、ディスカバリーズのコンサルタントからナレッジを得つつ、二人三脚でプロジェクトは順調に進行。「社内ポータルの要件整理」と「業務プロセスを改善するワークフローの定義」に十分な時間をかけながらも、プロジェクト開始から半年後には完成。2016 年 4 月から運用されています。

「 InSite を使うと簡単に社内ポータルの形が整うため、自分たちだけで苦労していた時期が嘘のようでした。また、非常に細かいことでも私が『こういうことはできないか』と相談すると、社内のプロジェクトメンバーと一緒になって解決策を考えて、形にしてくれました。おかげで社内にもナレッジが溜まりました。しかも、 Insite は SharePoint の標準機能に準じているため、メンテナンスも容易です。今では簡単な改修であればディスカバリーズさんの手を借りることなく、実施できるようになっています」

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TOP1(マスク処理済)

T-net  トップページ(イメージ)

毎月 600 ~ 700 件もあった FAX をカット!容量の大きな動画も楽々全社共有

社内公募によって「T-net」と命名された東横イングループの社内ポータルは、全スタッフが業務を開始する際にPCのブラウザを起動すると真っ先に表示されるようになっています。各種申請に必要な書類を全文検索機能で探せるほか、使用頻度の高いものはリンク集として分類されるなど“使いやすさ”に配慮されており、運用開始後の社内アンケートでも 8 割以上が「満足」と回答。

運用を開始してから約 2 年の間に「T-net」は社内に完全に定着し、全社で共有する本サイトのほかに、“支配人” “部署別”“店舗別”“グループ会社”など、職責などで閲覧権限を分けたサブサイトが 30 ~ 40 個ほども運用されていると言います。

FAXで運用されていた業務も、「T-net」に装備されたワークフロー機能によって円滑化。全国から、毎月 600 ~ 700 件も送られてきていたFAXがすべて電子化されるなど、さまざまな費用対効果が確認されています。中でも分かりやすいのは、「DVDの作成・配布にかかっていた費用の削減」だと、熊澤氏は言います。

「当社では、新入社員へのトレーニングから接客マニュアルなど、昔から映像コンテンツを重用しており、DVDで各店に配布していましたが、現在は映像コンテンツをすべてT-net上に掲載して、再生回数なども把握できるようになっています。全店舗参加の接客コンテストでも、1 次予選を映像審査にして、T-net上で全スタッフが参加できるようにしました。

「自社でサーバーを立てるのと違って、クラウドですからファイル容量などをあまり気にせずに運用できるのもありがたいですね」

お客様のコメント

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東横INN豊橋駅
東横INN三河安城駅新幹線南口
支配人 熊澤 加代子 氏

私たちが目指すべき社内ポータルの姿を明確にする作業や、ワークフローの整備などは特に、ディスカバリーズさんの知見を借りることで、予想しなかったほどスムーズに完了しました。そのほか、女性スタッフを意識したサイトのデザインや色使いに始まり、リンクメニューの整理や検索機能の見直しといったリクエストにも非常に迅速に対応していただけました。

私たちはITの専門家ではありませんので変わった質問も多かったと思うのですが、非常に親切に答えてくださっていたので、当社側のスタッフも心強かったと思います。今後の活用深化や機能改善に向けて、とても良い協力関係が築けたと思います。

事例公開日:2017年8月8日