組織と人の対話を、現場目線で最適化。目標に挑むワクワク感を、全員で共有

オムロン株式会社では今、グローバルな情報連携を促進する“コミュニケーション&コラボレーションプロジェクト”を推進しています。特筆すべきは、グローバルでの“全体最適”のみならず、現場視点の“個別最適”までバランスよく考慮している点です。その好例が、日本国内の「営業本部」専用ポータルサイトです。“働くことの意義”を根本から見つめ直すことで営業本部 約1,000人が同じ目標意識を保ち、ストレスなく業務遂行できる情報環境が、完成しつつあります。

オムロン株式会社は、1933年に創業。「より良い社会をつくる」という思いを発展の原動力として、今では世界117か国で約36,000人が働くグローバルカンパニーへと飛躍しています。2011年に公表した10年間の長期ビジョン「Value Generation 2020(VG2020)」では、「質量兼備の地球価値創造企業」を目指し、さまざまな取り組みを推進。2017年度からは、「VG2020」の達成に向けた最終の中期経営計画がはじまっています。

空疎なスローガンより、ワクワクできる環境を

世界117か国で約36,000人が働くグローバルカンパニーとして成長を続けるオムロン株式会社にとって、グローバル規模で情報共有環境を整えることは重要な意味を持ちます。そこで、2017年2月にグローバルビジネスプロセス&IT革新本部を新設すると、各事業部から招集したボードメンバーと共に“コミュニケーション&コラボレーションプロジェクト”を推進。世界に広がるオムロン グループ内の活性化と業務の円滑化を支える情報共有環境が整いつつあります。
営業本部のリーダーとして、“コミュニケーション&コラボレーションプロジェクト”に参加した営業本部マーケティングセンタ長 立石郁雄氏は、この大規模なIT環境刷新プロジェクトが「営業本部にとっても、大きなチャンスだった」と振り返ります。

「これまで、営業本部のナレッジ共有には、数年以上前に導入した古いツールなどを混在利用していました。それを、長年にわたってエリアや機能部門ごと、あるいはプロジェクトごとなどで個別に掲示板やデータベースが作成し、運用してきたのです。そのため、データは散在し、せっかくのナレッジが埋もれていくという状況を繰り返してきました。今回のプロジェクトによって、Office 365 という新しいツールが全社導入されることは、私たち営業部門が考える理想的な情報共有環境を実現する上でも絶好の機会だったのです」

考えるべきは「人間味のあるつながりとエンゲージメントの向上」だと立石氏は続けます。

「私たち営業本部の本分は、業績を伸ばすことにあります。しかし“生産性向上”“業績向上”という無味乾燥なスローガンを一方的に押し付けても、現場で働く社員は誰もワクワクしませんよね。大事なことは、そこに“人間味”があるかどうかです。私たちが働く理由は、“会社に所属しているから”という事だけではありません。仕事を通じて、人や会社、そして社会とつながっています。こうした当たり前のことに気づくと、働くことが楽しくなっていきます。新しいポータルは、そうやって視野を広げていく窓になればいいと思ったのです」

立石氏と共にプロジェクトを率いる、同 マーケティングセンタ 業界マーケティング部長 浜鍜康二氏も「営業本部全体のエンゲージメントアップを図ることが重要だった」と続けます。
「ポータルを通じて、仕事に必要な情報がすぐに見つかる。あるいは頼りになる仲間がすぐに見つかる。そうやって、自分のやりたいことが、すぐに見つかれば些末な作業に時間を奪われることもなくなり、本来の業務に費やす時間が増えます。新しい発想も広がるでしょう。さらに、人とつながってイノベーティブな試みが進むことも期待できます。また、業績の達成度合いやオムロンのビジョンなど、重要な情報を常に共有することで、“全員で頑張っていく”という意識を徹底させることができる環境づくりを目指していました」

しかし、2017年4月から検討が開始された国内の営業本部専用のポータルサイトは、思いこそ積み重なるものもの、具体的な形は、なかなか見えて来なかったといいます。
その状況が一気に変化したのが、2018 年 2 月。要件定義から行動を共にする“構築パートナー”の選定が行われた時でした。

明確なコンセプトで、理想の実現をサポート

構築パートナーとして3社を候補に挙げて慎重に検討した結果、オムロン 営業本部が選択したのが、ディスカバリーズでした。その理由について立石氏は次のように話します。
「ディスカバリーズさんから最初に受けたプレゼンテーションの印象が、今も強く残っています。 “生産性と創造性を同時に高めたいという理想とするイメージ”はあっても、それをどうやって具体化すればいいのか分からずにいた私たちに、システムを熟知した立場から、全体俯瞰し構造化された提案をいただいたことに驚かされました。さらに驚いたのは、要件定義が進む中で非常に明確なコンセプトと実現のマイルストーンを提示してくれたことです。このコンセプトのおかげで、プロジェクト全体が円滑に進んだと実感しています」

そのコンセプトが、“ワクワク” “サクサク”です。
“ワクワク”は、立石氏たちの想いをストレートに組み取り、営業本部内のエンゲージメントを高めていくことを示しています。
“サクサク”には、ポータルサイトのレスポンスの早さだけではなく、「要件を盛り込み過ぎて、長大なサイトにならないようにする」という制約も含んでいます。

浜鍜氏は、この「サクサク」が、重要な意味を持っていたと話します。
「システム的な面からいえば、ブラウザを立ち上げるとすぐにポータルが開くようにならなければ、ユーザーに“ワクワク”してもらうことができません。そのために、表示するデータ量などをシンプルに絞り込む必要があります。しかし、営業本部全体から意見を募ると、『あれも入れたい、これも入れよう』となって、要望を交通整理しきれなくなることは想像に難くありません。しかし、“ワクワク” “サクサク”というコンセプトが定まっているおかげで、要望に対する割り切りをつけることができます。これは非常に重要なポイントでした」

全社標準だから、情報連携も無駄なくスムーズ

オムロン 営業本部のポータルサイトは、わずか1か月強で要件定義を終えると、4月から構築を開始。6月にはプレオープンを行い、ユーザーの意見などをフィードバックして細やかな改良を重ね、11月中旬から本格運用を開始しています。

本プロジェクトがスムーズに進行した理由の一つに、データの取り扱いなどのガバナンスの統一やセキュリティ ポリシーの策定など“グローバルでの統一基準”が、グローバルビジネスプロセス&IT革新本部の主導ですでに整えられていたことが挙げられます。同本部 ビジネスプロセス革新センタ 営業プロセス部 主査の川平 航氏は次のように話します。
「オムロンはカンパニー制を敷いていますので、営業本部のようなポータルサイトは、ほかのカンパニーでも構築されるでしょう。しかし、各所で独自化が進んでしまうと、せっかくグローバルで整えた情報環境を活かしきることが出来なくなります。その点、営業本部のポータルサイトは、ディスカバリーズさんが、私たちグローバル側と営業本部の橋渡し役をしっかりとこなしていただいていますので、非常にきれいな形で情報連携が出来ています」

立石氏も次のように話します。
「ディスカバリーズのおかげで、オムロン全体の視点と、営業本部の個の視点を、うまく統合し、オムロンのビジョンと戦略を実践するために必要な情報とを全体で連鎖させ、有機的に結合した形でつなげるハブとしてのポータルサイトができました。要件定義から構築まで、私たちと同じ目標に向かって、答えの見えない世界で、見えないものをしっかりと言語化してくれる……そんなパートナーに恵まれたことに、感謝しています」

業績達成の進捗表示と、整理された画面

本運用を開始したオムロン 営業本部のポータルサイトでは画面中央に業績の進捗を大きく表示(日次更新)。「何日までの数字です」などのコメントが添えられています。浜鍜氏は、「 “全員で頑張らなあかん”と思えるように意識付けしたかった」とその意図を説明します。
「営業本部の“ワクワク”と、“業績の良さ”は切り離せません。自分の仕事がうまくいっているかどうかだけではなくて、会社に貢献しているという実感が得られることは重要です。単に数字を載せるだけではなく、コメントも併記したのは、各部門で分担する数字とスケジュールを再確認して、エンゲージメントを高めてもらう狙いがあります」

この業績表示のほか、画面全体が「必然的に整理されていった」と、構築フェーズを担当した営業本部企画室 営業戦略課 主査 澤井洋平氏と営業本部マーケティングセンタ 商品マーケティング部 長岡純子氏は声を揃えます。
「最初は、ユーザーが迷わないように情報をグループ分けしたリンクをたくさん並べていたのですが、実際には不要でした。ほとんどのユーザーは、キーワード検索で欲しい情報にたどり着いていたのです。おかげで非常にシンプルな画面にできました」(澤井氏)
「今後はディスカバリーズさんにお願いして、クリックした履歴なども明確に把握することで、さらに最適化を進めていきたいと思います」(長岡氏)

今後の運用協力に期待

ポータルサイトが真価を発揮するのは、今後の活用次第だと、立石氏は言います。
「やはり、仕事の中心は“人”です。ポータルサイトの成否も、人と人のつながりをいかに支えるかという点に尽きます。コラボレーションが活性化し、自由にアイデアを出し合える環境へと育っていくのは、これからです」

さらに、「こんなに楽しかったプロジェクトは珍しい」とした上で、次のように締めくくります。
「ディスカバリーズの皆さんと一緒に働くのは楽しかったですね。今後の活用深化に向けて引き続き、期待しています」


お客様のコメント

オムロン株式会社
インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー
営業本部マーケティングセンタ長
立石郁雄氏

最初のプレゼンで、心をつかまれました。“ワクワク”“サクサク”という簡潔なコンセプトが、私たちの想いを端的に表していただけではなく、そのコンセプトを支える機能と「生産性」と「創造性」の進化を同時に実現するシナリオとマイルストーンまでが明確にまとめられていたことは、今も忘れません。目に見えない、形にならないものを、しっかりと言語化して私たちに示してくれたことに、驚きました。

オムロン株式会社
インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー
営業本部マーケティングセンタ
業界マーケティング部長
浜鍜康二氏

「営業本部全体のエンゲージメント向上に貢献できる情報共有」と言うのは簡単ですが、形にするのは非常に難しく、なかなか進まないものです。けれど、ディスカバリーズさんと一緒に取り組むと、着実に前進することができました。非常に“手応え”が感じられるので、楽しかったですね。

オムロン株式会社
インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー
営業本部企画室 営業戦略課 主査
澤井洋平氏

今回のプロジェクトでは、ディスカバリーズさんに 引っ張っていただいたという印象が強いですね。 おかげで、情報の閲覧性や検索性を高めることができました。しかも、大事な作業などは当社に出向していただいて、目の前で説明しながら行っていただけましたので、自社運用に向けたノウハウも、 きちんと社内に残すことが出来ていて、本当に助かっています。

オムロン株式会社
インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー
営業本部マーケティングセンタ
商品マーケティング部
長岡純子氏

私は普段、育児のために時短勤務しているため、「業務効率」や「生産性」について悩む機会も多くありました。しかし、今回のプロジェクトを通じて、“仕事を楽しむ姿勢”や“人間味”など、さまざまな視点から、営業本部全体の業務を見直すことができて、抱えていた悩みがスーッと抜けていく感じがありました。今後は、この想いを営業本部で共有したいです。

オムロン株式会社
ビジネスプロセス革新センタ
営業プロセス部 主査
川平航氏

グローバルとの連携の中で、営業本部の「個の視点」が、非常に明確なコンセプトにまとめられていたことが、今回のプロジェクトにおける、一番の成功要因だと思います。
ただし、プロジェクトの真価が問われるのは、本格運用を開始した今からです。ディスカバリーズさんには今後も、定着・活用促進の支援を期待しています。

事例公開日:2018年12月3日